任意認知、強制認知 | 用語解説

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任意認知、強制認知

1.認知とは

 

遺産相続をするとき、「認知された子ども」が現れると、トラブルにつながることが多いですが、そもそも認知とはどのようなものなのでしょうか?

認知とは、嫡出ではない子どもと父親との父子関係を法律的に認めることです。

もっとわかりやすく言うと、法律上の夫婦ではない男女から生まれた子どもと父親の親子関係をはっきりさせることを意味します。

婚姻届を出している戸籍上の夫婦の間に生まれた子どもは、何もしなくてもその夫婦の子どもと推定されます。この場合、父親が特に何もしなくても、明らかに父親と子どもに親子関係が認められます。

これに対し、婚姻していない男女の間に生まれた子どもの場合、母親は物理的に明らかになりますが、父親は明らかではありません。そこで、子どもの出生届出をしたとき、子どもの親の情報について、母親はその氏名が記載されますが、父親の欄は空いたままです。

このままでは、子どもは父親に対して親子であることを主張することができません。

そこで必要になるのが認知です。認知が行われると、父子関係が確認できるので、子どもの戸籍上父親の名前も記載されますし、父親の方の戸籍にも、子どもを認知したことが記載されます。

このことにより、子どもは父親に対し、父子関係を根拠としたいろいろな法的請求をすることができるようになります。

 

 

2.任意認知と強制認知

 

認知には、任意認知と強制認知の2種類があります。任意認知とは、父親の方から任意で認知をする方法です。具体的には、父親が役所に行って「認知届」という書類を記載すると認知ができますし、遺言によって認知をする方法もあります。遺言によって任意認知をするときには、必ず「遺言執行者」を選任しなければなりません。遺言執行者とは、遺言内容を実現する人のことで、弁護士などの信頼できる人を選任しておくと安心です。

遺言執行者を選任しておけば、死後に遺言執行者が認知届を出してくれるので、子どもの認知ができます。

任意認知をする場合、子どもが20歳以上のケースでは認知される本人の承諾が必要です。

 

これに対し、強制認知があります。これは、子ども側から認知を請求する方法です。まずは父親に対して調停を申し立てることによって認知をするように求めますが、父親が応じない場合には、認知請求訴訟を起こして、裁判所の判決で認知をしてもらうことになります。

 

 

3.認知された子どもの相続権

 

このように、任意認知や強制認知で認知された子どもの相続権は、どのようになっているのでしょうか?

認知された子どものことを「非嫡出子」と言います。これは、婚姻していない夫婦の間に生まれた子どもです。そして、昔の民法では、非嫡出子の法定相続分は嫡出子の法定相続分の半分とされていました。

ところがその後、このような取扱が不平等で憲法違反であるという判例が出たため、民法が改正されて、今は非嫡出子(認知された子ども)も嫡出子も同じ相続分になると規定されています。

そこで、父が死亡したときに認知された子どもが現れた場合や、父親が遺言で任意認知をしていた場合などには、その子どもとも同じように遺産を分け合わないといけません。このような場合、父親と同居していた今の子どもは、いきなり現れた認知された子どもに遺産を渡したくないと考えて、遺産トラブルが発生することが多いです。

認知された子どもがいるため遺産分割協議が難航している場合や、これから遺産分割を行おうとしている場合には、一度弁護士にアドバイスを求めると良いでしょう。

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