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所有権

1.所有権とは

 

所有権とは、物を所有する権利のことです。

所有権は物を排他的に支配することができる権利なので、他人が勝手にその物を利用していたり、所有者がその物の利用を妨害されたりすると、相手に対して妨害を排除することができます。この権利を妨害排除請求権と言います。

また、所有権が他人によって妨害されそうなときには、妨害予防を請求することができます。この権利のことを妨害予防請求権と言います。

所有物を人に取られた場合には、所有権に基づいて返還請求をすることができます。

このように、所有権には返還請求権と妨害排除請求権、妨害予防請求権という3つの大きな権利が認められます。

 

 

2.所有権が認められる物の具体例

 

所有権が認められる物の例としては、不動産や車などがあります。貴金属や時計、家具家電や骨董品などに対しても所有権が認められます。このように、広く「物」に対して支配を及ぼす場合には所有権が認められます。現金も、所有権の対象となります。

 

 

3.所有権と債権の違い

 

所有権について理解するためには、債権との違いを把握しておくとわかりやすいです。

債権とは、他人に何らかの行為を要求する権利のことです。債権という場合には、相手である債務者がいることが前提になっています。つまり、債権は「人」に対する権利と言えます。

これに対し、所有権の場合には、対象は「物」であり、「人」ではありません。ここに、両者の根本的な違いがあります。

たとえば、現金に対する権利は所有権ですが、預貯金は債権です。

預貯金を持っている場合、銀行や郵便局に対して払い戻し請求をする権利を持っています。つまり、預貯金は、「銀行や郵便局に対し、払い戻し請求をする権利」であり、「預貯金債権」なのです。

一般に現金・預貯金というと、同じような扱いをされることが多いですが、実は全く異なる性質を持ちます。

たとえば、預貯金のような可分債権は、相続が起こると当然に法定相続分に応じて相続人に分割承継されると考えられています。たとえば、預貯金が1000万円あって、相続人4人が4分の1ずつ相続する場合には、遺産分割協議をしなくても、それぞれが250万円ずつ取得するのです。

これに対し、所有権はこのような当然分割は行われません。そこで、現金を分けるには、遺産分割協議が必要になります。4人の相続人が4分の1ずつの相続分を持っている場合に1000万円の現金があっても、現金は当然には分割されず、遺産分割協議を終えるまでの間は現金の取得者は決まりません。

 

 

4.不動産や車の所有権を相続したら、名義書換が必要!

 

所有権も相続の対象になります。たとえば、不動産や車、貴金属や骨董品、絵画などは、すべて相続の対象です。そして、その価値に応じて相続税が課税されます。

また、物の所有権を相続した場合、名義書換が必要になるものがあります。その典型的なものが不動産です。

不動産を相続したら、被相続人から相続人へと所有権の移転登記を行う必要があります。名義を書き換えておかないと、表面上は誰が所有者かわからなくなって、第三者に無断で譲渡されてしまったり、他の相続人が勝手に法定相続分に従って相続登記をしてしまったりするおそれなどがあるからです。

相続登記をするためには、法務局において、登記申請をしなければなりません。

このとき、戸籍謄本や除籍謄本、相続人の印鑑証明書や遺産分割協議書などのたくさんの書類が必要になります。

また、車の所有権を相続した場合にも、やはり名義書換をしておくべきです。

以上のように、所有権を相続したら名義書換が必要になるケースがあるので、速やかに手続きしましょう。

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