遺産相続問題は誰に相談?専門家別での対応範囲を解説

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遺産相続問題は誰に相談?専門家別での対応範囲を解説

2017.10.7

カテゴリ : 相続手続き

遺産相続問題は誰に相談?専門家別での対応範囲を解説

離婚問題で悩んでいる場合や刑事事件が起きたときなどは、弁護士に相談しようと思う人がほとんどでしょう。

 

では、遺産相続問題が起きたときはどうでしょうか。

相続人の間でのトラブルもあるし、相続税の問題もある。

 

弁護士に相談すればよいのか、税理士に相談すればよいのか、または別の専門家なのか。

実を言うと、遺産相続問題は状況によって相談する専門家が異なります。

 

今回は、遺産相続問題における各専門家の対応範囲について解説します。

 

1.遺産相続の相談ができる窓口は4つある

平成27年に相続税の改正がありました。

いくつか改正があった中でもっとも大きなポイントは、基礎控除が縮小されたことです。

 

基礎控除とは簡単にいうと、この金額までの遺産であれば相続税がかからないというものです。

 

平成26年以前の基礎控除額は5,000万円に「1,000万円×法定相続人の数」を加えた額でした。

ところが改正後の基礎控除額は、3,000万円に「600万円×法定相続人の数」を加えた額で、改正前の6割となっています。

 

例えば、相続人が配偶者と子供1人の場合、平成26年以前の基礎控除額は5,000万円+1,000万円×2人=7,000万円、平成27年以降の基礎控除額は3,000万円+600万円×2人=4,200円となり、2,800万円も異なります。

 

基礎控除額の縮小により、相続税の申告をする人が大幅に増え、遺産相続問題で悩む人も多くなりました。

 

では、遺産相続問題について相談に乗ってもらえる専門家とは誰なのでしょうか。

遺産相続問題の相談ができる専門家には、弁護士・税理士・司法書士・信託銀行の4つが

あります。

 

それぞれで得意分野があり、相談できる内容が異なります。

次項以降で専門家ごとの相談内容について見ていきましょう。

 

(1)弁護士に相談する

遺産相続問題での相談先で、真っ先に弁護士を思い浮かべる人も多いでしょう。

弁護士は法律の専門家。

 

民法などに関する相談は弁護士に相談します。

相続人同士でのトラブルや、相続人以外の人に遺産が相続された(遺贈)場合などのトラブルの相談に乗ってもらえます。

 

例えば、遺産をどう分割するかでもめていたり、内縁の妻やその子の存在が明るみになったりした場合などのケースです。

 

では、弁護士に相談する費用はどれぐらいかかるのでしょうか。

実は、弁護士への相談費用は法律などで決められていることはありません。

それぞれの弁護士の裁量によって決められます。

 

目安として平成16年以前に日本弁護士連合会で定められていた報酬基準によると、一般的な法律相談で30 分ごとに 5000 円~2 万5000 円、訴訟となると数十万~数百万円かかることがあります。

 

ただし、今は弁護士の裁量によって決められています。

どこの弁護士事務所も無料相談などを行っているので、一度無料相談に行ってだいたいの費用について尋ねてみるとよいでしょう。

 

(2)税理士に相談する

税理士は税金の専門家です。

相続税の申告書の作成や、相続税対策などの相談をする場合は税理士に相談します。

 

前述した相続税の基礎控除の額よりも遺産の金額が低い場合は、相続税がかかりません。

また、相続税の申告自体もする必要がありません。

そのため、税理士に相談するのは基礎控除以上の遺産がある場合に限られます。

 

では、税理士に相談する費用はどれぐらいかかるのでしょうか。

税理士も弁護士と同じように、相談費用等は法律などで決められているわけではありません。

それぞれの税理士の裁量によって決められます。

 

どこの税理士事務所も無料相談などを行っていますので、一度無料相談に行ってだいたいの費用について尋ねてみるとよいでしょう。

 

多くの場合、遺産の金額がどれぐらいあるのかで報酬が異なります。

そのため税理士事務所に無料相談に行く場合は、だいたいでよいのでどのような財産があるかをあらかじめリストアップしておきましょう。

 

(3)司法書士に相談する

司法書士は登記などの手続きの専門家です。

不動産を相続したときの相続登記や、相続放棄をする場合の手続きなど手続きの相談については、司法書士に相談します。

 

不動産の相続登記や相続放棄をする場合の手続きなどは、弁護士も行うことができるので、弁護士と司法書士どちらに頼むか迷う人も多いと思います。

 

相続人同士のトラブルがある場合は弁護士に、特にトラブルがない場合は司法書士に相談すればよいでしょう。

 

司法書士も費用はそれぞれの司法書士の裁量によって決められますが、一般的には弁護士より相場は安くなっているため、司法書士で相談可能なものは司法書士に相談した方がよいでしょう。

 

(4)信託銀行に相談する

信託銀行とは、通常の銀行業務と、顧客の資産を運用して収益を上げる信託業務をともに行っている銀行のことです。

信託銀行でも遺産相続問題の相談を受けています。

 

ただし、信託銀行は相続登記や税務申告などを行うことができません。

その手続きは最終的には専門家に依頼するケースが多くなります。

基本的には、上で紹介した弁護士・税理士・司法書士の専門家に相談することでほとんどの問題が解決します。

 

もともと信託銀行の預けていた金融商品などの名義変更や、相続後の資産運用などの相談があるなら信託銀行に相談するのがよいでしょう。

 

信託銀行の費用はそれぞれの銀行ごと、プランごとでことなりますが、最低でも数十万円かかる場合が多いです。

 

2.専門家に相談する注意点

弁護士・税理士・司法書士は多くの場合、無料相談を行っています。

この無料相談を積極的に利用しましょう。

 

無料相談に行ったからといって、必ずその専門家に依頼しないといけないということはありません。

専門家によって得手不得手もありますし、費用なども異なります。

 

いくつか無料相談を回り、自分に合う専門家を選択しましょう。

無料相談の情報はネットの検索エンジンなどですぐに探すことができます。

 

費用についてもホームページに細かく記載されていることもあるので、参考にしましょう。

 

3.状況別での相談先と解決方法例

ここでは、具体的例を挙げて、どの専門家に頼んだらいいか、また解決までの流れをご紹介します。

 

(1)遺産を独占しようとする人がいる

「一人の相続人が遺言書で遺産を独占しようとする場合、どうすればよいか」という相談です。

この場合は相続人同士のトラブルに当たるので、弁護士に相談しましょう。

 

解決方法は遺留分の請求です。

一定の法定相続人には、最低限の生活の保障のために遺産の一定額を引き継ぐ遺留分という権利があります。

 

この権利は、たとえ遺言書ですべての遺産を1人の人間に相続することが記載されていたとしても有効です。

 

遺留分を得るには適切に遺留分の請求を行う必要がありますが、それでも問題が解決しない場合は、訴訟を起こすことになります。

弁護士なら、依頼人の状況に合わせて適切な解決方法を導いてくれます。

 

(2)被相続人に多額の借金があった場合

こちらは、被相続人に借金が多くあり、その借金を引き継ぐと相続人の生活が困窮するケースです。

こちらのケースは弁護士または司法書士に相談します。

 

解決方法としては相続放棄または限定承認です。

相続放棄とは、被相続人の財産をすべて放棄して財産をいっさい相続しない方法、限定承認とは資産の範囲内で負債を引き継ぐ方法です。

 

相続開始があったことを知った日から3か月以内に、家庭裁判所に申述等を行わなければなりません。

 

手続きだけなら司法書士で行うことができますが、親族間のトラブルなどがある場合は弁護士に相談しましょう。

 

(3)生前中に相続税の対策をしたい

こちらは、生前中から相続税の対策をしておきたいという相談です。

これは税金に関する相談なので、税理士に相談します。

 

相続税の対策としては、まず生前贈与を考えます。

住宅資金や教育資金、結婚・子育て資金などの非課税制度を利用したり、相続時精算課税制度を利用したりして生前に財産を贈与します。

 

依頼者の資産の状況などを把握し、贈与税と相続税の額などを比較。

節税となる方法を考えます。

 

制度についての概要などは弁護士も理解しているので、すでに他のことで弁護士に相談している場合は、弁護士に相談してみるのもよいでしょう。

ただし、税額や贈与税の申告については税理士に相談します。

 

(4)死亡後に相続税の対策をしたい

こちらは、死亡後に相続税が安くなる方法がないか相談をしたいケースです。

この場合は税金に関する相談なので、税理士に相談します。

 

生前と違い、死亡後では節税対策はできませんが、小規模宅地等や配偶者控除などの特例を利用して相続税を安くすることができます。

 

小規模宅地等の特例は、被相続人が住んでいた自宅の土地や、事業で使っていた建物がある土地などで、一定の条件を満たせばその評価額が大幅に減額されるという制度、配偶者控除は配偶者が法定相続分または1億6,000万円のいずれか大きい金額までの遺産を引き継げば相続税がかからないというものです。

 

税理士は依頼人や相続財産の状況などを確認しながら、適用できる特例を見つけ出し、相続税が安くなるよう考えてくれます。

 

(5)相続した資産の運用を考えたい

相続税の申告や相続登記などの手続きが終わり、その後の資産の運用を相談したい場合は信託銀行に相談します。

信託銀行では株式や証券、預金だけでなく不動産の運用なども行っています。

 

自分では運用方法が分からず財産を遊休させ、維持費だけがかかっている場合は、信託銀行に相談してみるのもよいでしょう。

 

まとめ

今回は、遺産相続問題における専門家別の対応範囲について解説しました。

遺産相続問題では、民法から税法に至るまで、さまざまな問題が発生します。

 

発生した問題をどの専門家に相談したらよいかを判断し、行動を起こす時期が早ければ早いほど問題を解決しやすくなり、また費用も安くなります。

 

無料相談に行くことで、自分に合った専門家を見つけることも可能です。

この記事を参考に、ぜひ発生した問題に合う専門家を見つけて早めに相談してください。

 

 

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