離婚後の相続権はどうなる?子や配偶者の相続割合を解説

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離婚後の相続権はどうなる?子や配偶者の相続割合を解説

2018.01.5

カテゴリ : 相続手続き

離婚後の相続権はどうなる?子や配偶者の相続割合を解説

離婚は今や珍しいことではなくなり、3組に1組は離婚しているというデータもあるほどです。

離婚する年代も様々で結婚10年以内に離婚する夫婦もいれば、長年連れ添って、子の独立を機に離婚する夫婦もいます。

また配偶者が死んでから離婚する、という場合もあります。

 

ところで、離婚した場合の相続権はどうなるのでしょうか?

離婚した配偶者との間に子がいる場合の相続はどうなるのでしょうか。

 

意外と知られていない離婚と相続の関係について解説していきます。

 

1.相続人とは

まず相続人について解説していきます。

 

法律では相続人となる人が決まっており、これを法定相続人と言います。

配偶者は法定相続人になります。

 

子がいる場合は、第一順位の相続人となり、この場合の相続人は配偶者と子が法定相続人となります。

 

子がない場合は、第二順位の相続人として亡くなった人の父母が法定相続人となります。

この場合配偶者と亡くなった人の父母が法定相続人になります。

 

さて、亡くなった人が離婚していた場合はどうでしょうか。

法定相続人になるには、死亡時に婚姻関係にないといけません。

 

つまり死亡時に既に離婚していた場合、配偶者として法定相続人になることはできません。

ですから死亡時に離婚して配偶者がいない場合、子のみ法定相続人となるか、子もいなければ父母が法定相続人となります。

 

離婚した妻は法定相続人ではないことは分かりました。

では、離婚後別の女性と再婚した場合の法定相続人は誰になるのでしょうか。

 

例えばA男さんがB子さんと離婚をして、その後C子さんと再婚をしていたとしましょう。

A男さんが死亡して相続が発生した場合、前妻であるB子さんには相続権がありませんが現在法律上の妻であるC子さんには相続権があり、法定相続人となります。

 

では前妻のB子さんとの間に子がいた場合の法定相続人は誰になるのでしょうか?

離婚してB子さんとは婚姻関係がなくなったとしても、A男さんと子との親子関係が法律上なくなるわけではありません。

離婚後も親子関係は継続していきます。

 

ですからA男さんが亡くなった場合、子は法定相続人となります。

離婚してずっと会っていないからと言って相続権がなくなるわけではありません。

 

さて、死後に離婚した場合の相続権はどうなるでしょうか。

前述の通り、亡くなった時の法律上の配偶者には相続権がありますので、たとえ死後に離婚したとしても、法定相続人となって遺産の相続をすることが出来ます。

 

2.離婚後の相続割合とは

誰が法定相続人となるのかはご理解いただけたと思います。

では、離婚や再婚があった場合、妻や子の相続の割合はどうなるのでしょうか。

 

前述の通り、離婚した元配偶者には相続権がありません。

そして、現在の法律上の配偶者には法律で定められた通り、2分の1の相続権があります。

 

では子についてはどうでしょう。

離婚して元配偶者に引き取られた子とは何年も何十年も会っていないという事もあるかもしれません。

 

しかし、会っていないからと言って元配偶者との間にできた子の相続権が失われるわけではありません。

その子にも2分の1の相続権があるのです。

 

もちろん、離婚後再婚した相手との間にできた子も法定相続人として2分の1の相続権があります。

 

つまり、親の婚姻とは関係なく、前の配偶者との間の子と、現在の配偶者との間の子は同じ相続割合なのです。

 

3.子がいて離婚した場合の相続

このように親が離婚をしても親子関係がきれるわけではありません。

ここでは前の配偶者との間に子がいて離婚した場合、相続の場面において特に注意しておきたいポイントを解説します。

 

(1)離婚後、子は元配偶者に引き取られ、親権も元配偶者にある場合

相続権と親権は何等かの関係はあるのでしょうか。

結論から言えば親権と相続権は何の関係もありません。

言い換えれば、親権を持つ、持たないに関係なく実子は法定相続人となります。

 

そのため実際に相続が発生した場合、その子は法定相続人ですので、その子を除いて遺産分割協議を行うわけにはいきません。

 

しかし、このような場合、引き取られた子と交流があれば別ですが、離婚から会っていないというケースも少なくありません。

そのような場合には遺産分割協議が難航するという事態も想定できます。

 

ましてや離婚後、別の人と再婚した場合、遺産分割協議の場で初めて自分の親の再婚相手と会うということも想定されます。

これは人の心情としてすんなり遺産分割協議が進むことは難しいと思われます。

 

(2)再婚相手との間に子が出来た場合

離婚後に再婚し、再婚相手との間に子が誕生するという事はよくあることです。

 

前述の通り、前配偶者の間にできた子も再婚相手との間にできた子も同じ実子である以上、相続割合は同じです。

この場合、相続の際、子同士で感情のすれ違いが生じ、いがみ合い相続争いになるかもしれません。

 

前配偶者との間の子はずっと会っていないし、再婚相手との子に財産はすべてあげたいと思うかもしれません。

 

しかし、前配偶者との間の子には遺留分があります。

遺留分とは法定相続人に保障されている最低限の相続分です。

この権利を行使して財産の請求をしてくる可能性があります。

 

前配偶者との間の実子にも配慮した準備をしておく必要があります。

 

(3)再婚相手に連れ子がいる場合

離婚後、良い出会いがあって再婚する可能性もあるでしょう。

その中には相手が実子を連れて再婚する場合もあります。

 

そのような場合、再婚相手との子と前配偶者との間の子の相続割合はどうなるでしょうか?

 

前配偶者との間の実子には法定相続分の権利があることは既に説明した通りです。

再婚時、婚姻届けを出す事により再婚相手は配偶者となり、法定相続分の権利を得ることが出来ます。

 

その再婚相手の実子は親の婚姻で自動的に子として法定相続分の権利を得るかと思いますが、実はそうではありません。

そのままだと、再婚相手の連れ子には相続権がないのです。

 

ともすれば自分の最期を看取ってくれた再婚相手の子には財産を残せず、離婚後全く音信不通だった実子に財産がいってしまう、という事もあり得るのです。

 

ではどうすれば良いのでしょうか。

方法は二つあります。

 

①養子縁組をする

まずは再婚相手の連れ子と養子縁組して法律上の親子関係を作っておくことです。

こうすることで、前配偶者との間の実子と同じ法定相続分の権利を得ることができます。

 

②遺言を作成しておく

もう一つは遺言を作成しておく方法です。

ただ、前述の通り、前配偶者との間の実子と再婚相手の連れ子との相続割合のバランスが悪い場合は、実子から遺留分減殺請求される可能性があるので注意が必要です。

 

(4)実子が既に死亡していた場合

離婚後何年も会っていない場合は、実子の生死も不明な場合もあります。

何等かの事情により自身より先に実子が亡くなっている、というような事があるかもしれません。

 

もし実子が先に亡くなっていた場合、実子が持っていた相続権はどうなるのでしょう。

実子に子がいた場合、実子の法定相続権はその子に引き継がれます。

これを代襲相続と言います。

 

よって、相続が発生した場合は孫にあたる実子の子も含めて遺産分割協議が行われることになります。

 

4.離婚後の相続でトラブルを防ぐために

離婚して子と疎遠になったとしても親子関係は切れず、またそれが相続の際トラブルの原因になることは理解いただけたと思います。

 

では、このようなトラブルが起こらないようどのような準備をしておくのが良いのでしょうか。

 

前述の通り再婚相手に連れ子がいた場合は養子縁組をしておくことで実子と同等の相続割合を確保しておくことが出来ます。

実子より長い時間を過ごした連れ子に何の権利も残せなかった、という事がないようにしておきましょう。

 

また遺言を書いておくことも有効です。

遺言は再婚相手を守るためにも必要な準備です。

相続財産には再婚相手が現在暮らしている家等の不動産も含まれます。

 

もしかしたら再婚相手に前配偶者との間の実子がこのような不動産に対し自身の権利を主張して、再婚相手の生活基盤が脅かされる可能性もないわけではありません。

 

ただ実子には遺留分という強い権利もあります。

遺言を書くときには実子の遺留分を侵害しないように配慮しましょう。

 

遺言書に付言事項を書いておくという方法もあります。

この付言事項自体に法的な拘束力はありません。

 

しかし、なぜこのような遺言の内容にしたのか、相続人に向けての最後のメッセージとして付言事項を書いておくのも良いでしょう。

 

相続争いは感情のもつれから発生することが多くあります。

そのような場合、被相続人の想いを相続人に伝えることで争いが避けられるかもしれません。

 

自分の死後、再婚相手の生活基盤を守りたい、血はつながっていないけど介護をして最期を看取ってくれた再婚相手の連れ子に財産を多めに残したい、等の場合は上記の遺言等の準備の他、別れた子の遺留分を侵害しない範囲で生前贈与をしておく、生命保険の受取人に指定しておく、等の方法をいくつか組み合わせて準備をしておきましょう。

 

遺言の書き方や遺留分の請求については法律の知識も必要となってきます。

もちろん自分自身で用意することは可能ですが、誤り等で大切な遺言が無効にならないように弁護士に相談しながら準備を進めることをお勧めします。

 

まとめ

離婚は昔ほど珍しいことではなくなってきました。

ただ離婚後の相続については意外と知られていないことが多いと思います。

 

相続に絡んだ問題は普段付き合いのある兄弟姉妹や親せき間でも感情のもつれで争う可能性があります。

相続開始後に初めて会う自分の親の再婚相手やその子供たちと遺産分割協議を行う場合、スムーズに進む方が珍しいかもしれません。

 

自分の死後、大切な人達を争いに巻き込まないためにもどのような準備が必要か一度相続に詳しい弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

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