相続でもめやすい6つの状況と予防方法や対策を解説

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相続でもめやすい6つの状況と予防方法や対策を解説

2018.02.28

カテゴリ : 相続人 / 相続財産

相続でもめやすい6つの状況と予防方法や対策を解説

相続では、さまざまなことが原因となってもめごとが起こります。

また、一度もめごとが起こると、解決するまでに長い時間を要することも少なくありません。

 

もめごとの解決が長引くと、それだけデメリットも多くなります。

 

そうならないためにもあらかじめ、もめないための予防方法や対策を知っておくことが大事です。

ここでは、その予防方法や対策をケース別で解説します。

 

1.財産が少なすぎるともめるケース

これは、遺産分割協議などで提示された被相続人の財産に対し、相続人が「少なすぎるのではないか、もっとあるのではないか」と思い、もめるケースです。

 

特に、被相続人が生前に相続人と別々に暮らしている場合などは、被相続人の現金や通帳など、財産がどこにあるのかわからず、財産の確定もままならないこともあります。

その場合は、もめごとが長期化することも多くあります。

 

対策方法は、被相続人が生きているうちから、財産についての透明性を高めておくしかありません。

 

財産目録を作成したり、被相続人の金銭の流れを生前から帳面に付けたりしておくことが、このケースのもめごとが起こらないための予防策となります。

 

2.生前の節税対策の結果、もめるケース

これは、被相続人が良かれと思って行った相続税の節税対策が、意に反して相続人同士のもめごとの原因となるケースです。

どのような場合にもめるのか具体例を見ていきましょう。

 

(1)養子縁組

相続税では、税金の控除額や非課税枠の計算の際に、法定相続人の数を用いて計算するものがあります。

具体的には以下の計算で法定相続人の数を用います。

 

  • 相続税の基礎控除額
  • 生命保険金の非課税限度額
  • 死亡退職金の非課税限度額

 

これらの計算をする場合、被相続人に実の子供がいる場合は1人まで、実の子供がいない場合は2人までの養子を法定相続人に加えることができます。

 

法定相続人が1人加われば、相続税の基礎控除額で600万円、生命保険金の非課税限度額で500万円、死亡退職金の非課税限度額で500万円増えるため、かなりの節税効果があります。

被相続人の孫は、原則、法定相続人になれないため、孫を養子にするケースが多いです。

 

では、なぜもめるかというと、法定相続人には財産を引き継ぐ権利があるからです。

例えば、長男と次男のどちらにも孫がいた場合で、長男の孫を養子にしたときは、孫の間で不公平がおこります。

相続開始後に次男がその事実を知った場合に、遺産分割をめぐってもめごとになります。

 

(2)生前贈与

贈与税には年間110万円までの基礎控除があり、毎年その金額までの贈与なら贈与税がかかりません。

 

そこで相続時の財産を減らすために、生前贈与をおこなうことがあります。

この場合、1人に集中して生前贈与を行い、相続開始後に他の相続人がその事実を知った場合に、遺産分割をめぐってもめごとになります。

 

対策方法は、次のことが挙げられます。

  1. できるだけ相続人で平等になるように気を付けながら、生前の節税対策を行うこと
  2. 生前の節税対策を行う際には、相続人すべての了承を得てから行うこと

 

3.相続財産に不動産が多くもめるケース

これは、相続財産の中に不動産の占める割合が多い時にもめごとが起こるケースです。

例えば、相続財産の内訳が現預金1,000万円、不動産3,000万円といった場合です。

 

不動産は分けることができないので、相続人の1人がそのまま引き継ぐことが多くあります。現金1,000万円は次男が、不動産3,000万円は長男が引き継ぐ場合に、不公平感がおこりもめごとになります。

 

対策方法は次の2つです。

 

(1)遺言書を作成しておく

遺言書を作成し、自宅を引き継ぐ人を決めておきます。

被相続人の意志は、法定相続分よりも優先されるので、もめごとが起きにくくなります。

 

(2)代償分割や換価分割を検討する

代償分割は、不動産を1人の相続人が相続する代わりに、他の相続人に法定相続分で分けられるように、その持ち分に該当するお金を支払う方法です。

 

上記のケースでは現預金1,000万円、不動産3,000万円で遺産合計は4,000万円です。

兄弟1人が受け継ぐ法定相続分は2,000万円ずつのため、不動産を引き継ぐ兄が弟に1,000万円支払います。

 

換価分割は不動産を売却して現金に換え、法定相続分で分割する方法です。

代償分割、換価分割どちらも法定相続分どおりに分けられ、もめごとが起きにくくなります。

 

4.親と同居している相続人とそれ以外の相続人でもめるケース

これは、親と同居している相続人は「面倒を見たのでその分多くもらいたい」と考えているが、それ以外の相続人は「均等に分けたい」と考えている場合や、親と同居している相続人は自宅をもらえるが、それ以外の相続人は自宅をもらえず不公平感が生まれる場合にもめごとに発展するケースです。

 

それぞれのケースで対処法を見ていきましょう。

 

(1)親と同居している相続人は「面倒を見たのでその分多くもらいたい」と考え、それ以外の相続人は「均等に分けたい」と考えているケース

この場合の対処方法は次の2つです。

 

①遺言書を作成しておく

事前に遺言書を作成し、被相続人と同居して身の回りの世話をしていた相続人が多めに相続できるような遺産分割を記載しておきます。

被相続人の意志は法定相続分よりも優先されるので、もめごとが起きにくくなります。

 

②寄与分を主張する

寄与分とは、被相続人と同居して身の回りの世話をしていた相続人の貢献度を、どれだけの金額、または遺産に対してどれだけの割合になるかを具体的に算定し、法定相続分に上乗せする場合のその上乗せ部分のことをいいます。

 

これは民法で認められています。

 

寄与分を得るためには、まず寄与分を得たい人が遺産分割協議の場で自ら主張する必要があります。

遺産分割協議の場で認められない場合は、裁判所に調停の申立てを行います。

 

実は、寄与分はその算定方法などが具体的に決まっています。

そのため、最初に遺産分割協議の場で主張するときに、あらかじめ寄与分がどれぐらいの金額や割合になるのか、また算定方法などの根拠を示した方が、話がまとまりやすくなるでしょう。

 

寄与分の計算は複雑なため、寄与分を主張しようと考えている場合は弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

 

(2)親と同居している相続人は自宅をもらえるが、それ以外の相続人は自宅をもらえず不公平感が生まれるケース

この場合の対処方法は、遺言書を作成しておくことにつきます。

事前に遺言書を作成し、親と同居している相続人が自宅をもらえるような遺産分割を記載しておきます。

 

被相続人の意志は、法定相続分よりも優先されるので、もめごとが起きにくくなります。

 

5.遺言書の内容が不平等すぎてもめるケース

例えば、遺言書に内縁関係者の人に多くの財産が渡るような記載がされているなど、内容が不平等すぎるためにもめごとが起こるケースです。

この場合の対策は次の2つです。

 

(1)法定相続人や法定相続分の知識をつける

まずは、法定相続人や法定相続分についての知識をつけ、本来なら内縁関係者などがどれぐらいの財産を引き継げるのかを知ることから始めます。

 

例えば、前妻とその子供の場合、前妻には相続権はなく、前妻の子には相続権があります。

相続分は、前妻の子も今の妻の子も同じ割合があります。

 

配偶者と前妻、配偶者の子、前妻の子で財産を分ける場合、法定相続分は配偶者1/2、前妻0、配偶者の子1/4、前妻の子1/4となります。

 

(2)遺留分請求を行う

法定相続人や法定相続分について理解できれば、遺言で前妻や前妻の子に分割する遺産の割合がどれぐらい不当に高いかが分かります。

その場合、最低限の保障である遺留分を請求できます。

 

遺留分は法律で認められていますので、適切に請求を行えば、遺留分を取り戻すことができます。

 

6.遺産を独り占めしようとする人がいてもめるケース

これは、財産を独り占めしようとする相続人等がいて、他の相続人ともめるケースです。

このケースのほとんどの場合が、遺言書で1人の人にほとんどの財産を譲る旨が記載されています。

 

この場合の対策は次の2つです。

 

(1)法定相続人や法定相続分の知識をつける

まずは、法定相続人や法定相続分の知識をつけ、本来なら財産を独り占めしようとする相続人等がどれぐらいの財産を引き継げるのかを知ることから始めます。

 

(2)遺留分請求を行う

法定相続人や法定相続分について理解できれば、遺言で財産を独り占めしようとする相続人等の遺産の割合がどれぐらい不当に高いかが分かります。

 

その場合、最低限の保障である遺留分を請求できます。

遺留分は法律で認められていますので、適切に請求を行えば、遺留分を取り戻すことができます。

 

7.相続でもめた場合のデメリットと対策

今までは、どのようなことが原因となって相続でもめるかを見てきました。

ここからは、相続でもめた場合にどのようなデメリットがあるかを見ていきましょう。

 

(1)申告期限が過ぎて、小規模宅地等の特例等が使えなくなる。

相続のもめごとが長期化し、遺産分割ができないと正しい相続税の申告をすることができません。

相続税の申告には、相続開始を知った日の翌日から10か月以内という期限があります。

 

この申告期限までにもめごとが解決しなかった場合は、一旦法定相続分で相続したと仮定して相続税の申告と納付をし、遺産分割後に再度相続税の申告を行います。

 

遺産分割ができていない場合、相続税の計算を行う際に「配偶者の税額軽減」と「小規模宅地等の特例」が使えません(正しい計算ができないため)。

※3年以内に分割がまとまった場合は、再度申告するときに適用できます。

 

「配偶者の税額軽減」と「小規模宅地等の特例」は相続税額に大きな影響を与えるもののため、少なくとも、最初の申告では相続税の納付額はかなり多くなる場合があります。

 

(2)預金等の財産が凍結されて使えず、有効活用もできない。

相続が起きると多くの場合、預金等の財産が凍結されて使えなくなります。

遺産分割が終わるまでは凍結されたままのため、その資金を有効活用できません。

 

また、公共料金など口座引き落としで支払っていたものは、別で現金を用意し支払う必要もでてきます。

 

(3)調停などが起これば費用がかさみ、しかも長期化する

相続人同士のもめごとが長期化すれば、調停や裁判などに発展することがあります。

そうなると、弁護士費用などの費用がかさみます。

 

また、調停や裁判などに発展した場合は、解決までに長期化する傾向もあります。

 

相続でもめた場合は、多くのデメリットがあります。相続でもめないためにも、被相続人による生前からの対策が重要です。

できるだけ相続人同士が平等になるように分割する遺言書を作成しておくことが、対策の1つになるでしょう。

 

まとめ

相続では遺産分割などをめぐり、相続人同士でもめることはよくあります。

相続人同士のもめごとを回避するには、被相続人の生前からの対策が必要不可欠です。

事前に弁護士などの専門家に相談し、対策を立てることをおすすめします。

 

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