相続手続きの弁護士費用はどのくらい?報酬相場と種類を解説

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相続手続きの弁護士費用はどのくらい?報酬相場と種類を解説

2018.03.20

カテゴリ : その他

相続手続きの弁護士費用はどのくらい?報酬相場と種類を解説

相続手続きを弁護士に頼みたいけど、

「費用がどれぐらいかかるのかわからない」

「弁護士は費用が高そうなので頼むのに躊躇してしまう」

そんな不安をよく耳にします。

 

相続手続きにまつわる揉め事や手続きの代行を弁護士に依頼したくても、「弁護士費用(報酬)=高い」といったイメージが依頼を躊躇させてしまっているのかもしれません。

弁護士報酬は、弁護士ごとに自由に決定することができるので、同じ案件でも、依頼した弁護士によって費用にばらつきがでてしまうことになります。

 

ただし、弁護士報酬を自由に決定できるといっても、費用を定める際に目安となる基準は存在します。それが、かつて弁護士会が定めていた「旧報酬規程」です。

今回はこの旧報酬規程にそって弁護士報酬の相場、報酬の種類など詳しく解説していきます。

 

1.弁護士報酬の目安

弁護士会が定める報酬規程が廃止され、各法律事務所が自由に弁護士報酬を決定できるようになりましたが、依然、多くの事務所は「旧報酬規程」を基準に報酬を定めているとされています。

まずは弁護士報酬にはどんなものがあるのかを確認していきましょう。

 

(1)報酬の種類

弁護士報酬には大きく報酬と実費の2種類に分かれ、報酬はさらに下記の5つに分けられます。

 

①相談料  

法律相談にかかる費用のことです。

 

②着手金  

弁護士に事件や手続きを依頼したときに支払う費用のことです。結果のいかんに問わず、例え不成功に終わったとしても、着手金は返還されません。

 

③報酬金 

事件が無事に終了したときに支払う費用です。成功報酬ともいわれ、成功の度合いによって額は異なります。不成功の場合には支払う必要はありません。

 

④手数料 

契約書や遺言書の作成など事務的な手続きを依頼した場合に支払う費用です。

 

⑤日当

遠方の裁判所に出向く必要がある場合など、弁護士が事務所を離れて業務を行うときに、そのために拘束された時間に応じて支払う費用のことです。

 

⑥実費

印紙代や郵便切手代、交通費など実際に要した費用のことです。

 

(2)旧報酬規程

旧報酬規程に定められた弁護士報酬の基準は下記のとおりです。

法律相談

相談料

30分ごとに5000円~25000円の範囲内

訴訟事件

着手金

事件の経済的利益が

・300万円以下→経済的利益の8%

・300万円を超え3000万円以下→5%+9万円

・3000万円を超え3億円以下→3%+69万円

・3億円超→2%+369万円

※事件の内容により30%の範囲内で増減額することができる。

※最低額は10万円

報奨金

事件の経済的利益が

・300万円以下→経済的利益の16%

・300万円を超え3000万円以下→10%+18万円

・3000万円を超え3億円以下→6%+138万円

・3億円超→4%+738万円

※事件の内容により30%の範囲内で増減額することができる。

調停・示談交渉事件

着手金・報奨金

訴訟事件に準ずる。ただし、それぞれの額を3分の2に減額することができる。

※示談交渉から調停、示談交渉又は調停から訴訟その他の事件を受任するときの着手金は訴訟事件の額の2分の1

※着手金の最低額は10万円

日当

半日

3万円以上5万以下

一日

5万円以上10万円以下

(旧)日本弁護士連合会報酬等基準http://www.miyaben.jp/consultation/pdf/expenses_kijun.pdf

 

2 相続に関する弁護士費用

旧報酬規程にそって相続手続きの内容別に弁護士報酬をシミュレーションしてみましょう。

 

(1)遺言書の作成を依頼した場合

遺言書作成を弁護士に依頼した場合の報酬の相場は10万円から20万円程度です。

ただし、財産の総額に応じて報酬を定めている事務所もありますので、初回相談時に必ず費用がいくらかかるのかを確認するようにしましょう。

 

なお、公正証書で遺言書を作成する場合は、公証人への手数料が別途必要となります。

 

(2)遺言執行を依頼した場合

亡くなられた人の意思を実現するため、遺言に書かれた内容に応じて遺産分割を行うのが遺言執行者の役割です。

この遺言執行を弁護士に依頼した場合、遺産の総額や相続人の数によって執行者となる弁護士報酬が変わってきます。

 

旧報酬規程では、遺産の総額が300万円以下の場合は30万円、300万円を超え3000万円以下の部分は、遺産総額の2%+24万円、3000万円を超え3億円以下の部分は1%+54万円、3億円を超える部分は0.5%+204万円としています。

 

手続きが複雑になる場合は、弁護士と受遺者(遺産を受ける者)との協議で決めることができるとされています。

 

(3)遺産分割協議を依頼した場合

遺産分割とは誰が何を相続するかを決める相続人全員による話し合いのことです。遺産争いの多くは、遺産の分割をめぐって引き起こされるので、争いがある、あるいは争いが予想される場合には、手続きを弁護士に依頼するのが得策です。

弁護士に依頼した場合、着手金として20万円から30万円程度のほか、報酬金が必要となります。

 

報酬金は、経済的利益が300万円以下の場合はその16%、300万円を超え3000万円以下の部分は10%+18 万円、3000万円を超え3億円以下の部分は6%+138万円、3億円を超える部分は4%+738 万円になるとされています。

旧報酬規程では「経済的利益」を「遺産の総額×依頼者の相続分×1/3」で算定しています。

 

わかりづらいので、具体例で考えてみましょう。

例えば、遺産総額が6000万円、相続人が子3人という案件で、子の一人(相続分は1/3)から依頼され遺産分割調停を弁護士が受任した場合は下記の通りです。

 

  • 経済的利益:6000万円×1/3×1/3=1000万円
  • 報酬金:1000万円×10%+18万円=118万円

 

(4)相続放棄を依頼した場合

相続放棄は、相続の開始を知った時から3か月以内に、家庭裁判所で手続きを行わなければならないため、弁護士などの専門家に手続きを依頼する方が増えています。

 

弁護士に相続放棄の手続きを依頼した場合の報酬は10万円程度が相場とされています。

 

3.日本弁護士会が行った報酬金のアンケート

旧報酬規程だけでなく、2018年に日本弁護士会が全国の弁護士を対象に報酬金額に関して行ったアンケート結果も、弁護士報酬の一つの目安として参考にすることができます。

 

(1)遺産分割

遺産総額1億円、相続人は配偶者と子2人。配偶者の依頼を受けて遺産分割調停を受任した場合の弁護士報酬として多かった回答は下記のとおりです。

なお調停により配偶者は5000万円の相続財産を取得しました。

 

①着手金

50万円と回答した弁護士は全体の41%

30万円と回答した弁護士は全体の31%

 

②報酬金

100万円と回答した弁護士は全体の31%

180万円と回答した弁護士は全体の15%

 

(2)遺言書作成と遺言執行

遺言の対象となる財産脳総額は5000万円。公正証書遺言の作成を弁護士に依頼した場合の作成手数料として、過半数の弁護士が10万円と回答、次いで全体の31%の弁護士が、20万円と回答してます。

 

遺言執行者になっている場合の手数料は、弁護士ごとにばらつきがあり、①40万円、②100万円と言う回答が全体の4割を占めています。

 

4.費用の支払い

弁護士費用のうち、着手金は手続きを依頼するときに支払うことになります。これに対して報酬金は、手続きが完了したときに支払う必要があります。

最近では、分割での支払いやクレジット払いなどにも対応している法律事務所がありますので、一括で費用を支払うのが難しい場合は、事前に分割払いは可能かを確認するようにしましょう。

 

相続放棄の場合には、一定の収入要件を満たせば民事扶助制度を利用することもできますので、お近くの法テラスに問い合わせてみるか、あるいは法テラスに登録している弁護士に相談してみるとよいでしょう。

 

まとめ

多くの事務所は旧報酬基準にそって具体的な報酬体系を定めていますが、そうでない事務所もあることから、弁護士に依頼したい場合は、複数の事務所に費用の概算を問い合わせてみるのも一つの手です。

 

事務所によっては、無料相談を積極的に行っている事務所もありますので、これを活用してみるのもよいでしょう。

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