遺留分とは?遺留分が認められるケースと計算方法を解説

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遺留分とは?遺留分が認められるケースと計算方法を解説

2016.11.1

カテゴリ : 遺留分

遺留分とは?遺留分が認められるケースと計算方法を解説

相続が起こったとき、自分が法定相続人になっていても、遺言書によって他の人に遺産がすべて遺贈される場合などには、自分はまったく遺産を受け取れないことがあります。

 

また、一切受け取れないわけではなくても、本来の法定相続分よりもかなり少ない遺産しか受け取れなくなることもあります。

 

このようなとき、一定のケースでは遺留分が認められて、最低限の遺産を取得することができます。

遺留分は誰でも認められるわけではないので、誰がどのくらい請求できるのか、きちんと理解しておく必要があります。

 

そこで今回は、遺留分とその請求方法について解説します。

 

1. 法定相続人なのに、遺産を受け取れないケース

遺留分は、本来の法定相続人が遺産を受け取れないケースで問題になりますが、遺産を受け取れない場合とは具体的にどのようなケースなのか、まずは確認しておきましょう。

 

(1)遺産がまったく受け取れないケース

遺留分が問題になるケースとして、本来の法定相続人が遺産をまったく受け取ることができない場合があります。

これは、遺言書によって、その相続人以外の人に遺産を相続させることが指定されていたりする場合です。

 

具体例を挙げて見てみましょう。

 

父親が亡くなって、妻と長男、次男がいるとします。

このとき、本来の法定相続分は、妻が2分の1、子どもが2分の1なので、長男と次男が頭割り計算して、2分の1×2分の1=4分の1になります。

 

ところが、遺言書によって、妻に3分の2、長男に3分の1取得させることが指定されていて、次男には何も残されなかったとします。

 

すると、遺言によって、次男は遺産をまったく受け取れないことになるので、次男の遺留分(最低限の遺産受け取り分)が問題になります。

 

(2)遺産を受け取れるが、少額であるケース

遺留分は、遺産をまったく受け取れないケースだけではなく、遺産を受け取ることができても、それが少額過ぎるケースでも問題になります。

 

法律上最低限の遺留分があるので、それより少ない分の遺産相続しか認められないようなケースでは、遺留分侵害が問題になるからです。

 

遺産を受け取ることができてもそれが少額過ぎることが問題になるケースの具体例を挙げます。

 

父親が亡くなって、妻と長男、次男がいるとします。

この場合、遺言書が残されていて、妻に8分の7、長男に16分の1、次男に16分の1ずつの相続分の指定が行われていたとします。

 

この場合、本来の法定相続分を基準にすると、長男も次男も4分の1ずつの遺産の取り分があるはずなのに、遺言によって16分の1しかもらえないことになってしまいます。

 

この場合、遺言があるので、もともとの4分の1まで請求することはできませんが、最低限の遺産取り分である遺留分までは受け取ることができる可能性があります。

 

2. 遺留分とは

本来の法定相続人なのに遺産が受け取れないまたは少額しか受け取れないケースで問題になる遺留分とは、どのようなものなのかをご説明します。

 

遺留分とは、一定の範囲の法定相続人に認められる、最低限の遺産の取り分のことです。

法定相続人は、被相続人と一定の親族関係にある人であり、遺産相続に対する期待も持っています。

 

それにもかかわらず、遺言書などによって一切受け取れなくなるとすると不合理です。

そこで、法律は、被相続人と緊密な関係のある法定相続人に対し、最低限の遺産取り分である遺留分を認めたのです。

 

遺留分は、その割合が決まっているので、遺留分の割合を侵害された場合に請求をすることができます。

まったく遺産を受け取れない場合はもちろんのこと、上記のケース2のように、本来より大幅に遺産取り分を減らされて、遺留分を侵害された場合にも遺留分の請求ができます。

 

3. 遺留分が認められる人

遺留分は、一定の法定相続人に認められる最低限の遺産の取り分のことですが、これはどのような法定相続人にも認められるわけではありません。

 

遺留分が認められるのは、法定相続人の中でも兄弟姉妹はのぞかれます。

兄弟姉妹は相続の順位も第3順位と低く、被相続人との関係が薄いので、遺留分までは認める必要がないという判断があるからです。

 

よって、遺留分が認められる法定相続人は、配偶者と子ども(孫)と親(祖父母)ということになります。

 

4. 遺留分の割合

自分の遺留分が侵害されているかどうか明らかにするためには、遺留分の侵害が起こっているかどうかを計算しなければなりません。

 

ここで、遺留分の割合が具体的にどのくらいになっているのかが問題になります。

遺留分の割合は、基本的には、本来の相続分の2分の1です。

 

ただし、親などの直系尊属のみが相続人になっているケースでは、本来の相続分の3分の1になります。

 

以下では、また具体例を挙げて見てみましょう。

 

(1)ケース1 ~配偶者と子供が相続人のケース~

父親が亡くなって、妻と子ども2人がいるとします。このとき、遺言書が残されていて、愛人とその子どもに全額の遺産を渡すことになっていたとしましょう。

当然、妻と子ども2人の遺留分は侵害されていることになります。

 

もともとの法定相続分は、妻が2分の1、子どもたち1人1人がそれぞれ2分の1×2分の1=4分の1です。

遺留分は、本来の法定相続分の2分の1なので、妻の遺留分は2分の1×2分の1=4分の1、子どもたちそれぞれの遺留分は、4分の1×2分の1=8分の1となります。

 

よって、妻は4分の1の遺留分を内縁の妻やその子どもに請求することができますし、子どもたちはそれぞれ8分の1の遺留分を内縁の妻やその子どもに請求することが可能です。

 

(2)ケース2 ~親のみが相続人のケース~

次に、親のみが法定相続人になっているケースを考えてみます。

配偶者も子どももおらず、親2人が法定相続人になっているケースにおいて、一緒に住んでいる内縁の妻に対して全額の遺産を渡す内容の遺言書が残されていたとします。

 

この場合、親は、本来2分の1ずつの法定相続分を持っていたことになりますが、これが一切認められなくなっているので、遺留分が認められます。

 

親のみが相続人になる場合、遺留分の割合は本来の法定相続分の3分の1になるので、親1人1人の遺留分は、2分の1×6分の1=12分の1になります。

 

よって、親は、内縁の妻に対して、それぞれ12分の1ずつの遺留分の支払を請求することができます。

 

(3)ケース3 ~兄弟姉妹が相続人のケース~

最後に、兄弟姉妹が相続人になるケースを考えてみましょう。

配偶者と兄弟2人がいる人が死亡したケースで、愛人にすべての遺産を渡す内容の遺言書があったとします。

 

この場合、本来の法定相続分は、妻が4分の3、兄弟姉妹がそれぞれ4分の1×2分の1=8分の1です。

 

妻は遺留分を侵害されているので、4分の3×2分の1=8分の3の遺留分を、愛人に対して請求できます。

 

これに対し、兄弟姉妹には遺留分が認められないので、遺言書によって遺産の取り分が認められない以上、兄弟姉妹は一切遺産を取得出来ないことになります。

 

まとめ

以上のように、配偶者と親、子どもには最低限の遺産相続分である遺留分が認められます。

兄弟姉妹には遺留分は認められないので注意が必要です。

 

また、遺留分の割合は、基本的には法定相続分の2分の1ですが、親のみが相続人になるケースでは、本来の3分の1になって割合が変わることも覚えておくと役立ちます。

 

今回の記事を参考にして、自分の遺留分が侵害された場合、きちんと権利を行使出来るようにしましょう。

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