遺言書が出てきたら検認が必要?手続き方法を詳しく解説

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遺言書が出てきたら検認が必要?手続き方法を詳しく解説

2016.09.1

カテゴリ : 遺言書 / 遺言執行

遺言書が出てきたら検認が必要?手続き方法を詳しく解説

相続が起こった場合、亡くなった人(被相続人)が遺言書を残しているケースがあります。

この場合、遺言書を発見した人は、「検認」という手続をとらないといけません。

 

検認にはどのような意味があり、どのように手続をすれば良いのでしょうか?

検認をせずに遺言書を開封するとどのような問題が起こるのかも知っておく必要があります。

 

そこで今回は、遺言書の検認手続について解説します。

 

1. 遺言書の検認とは

遺言書を発見したら、勝手に開封してはいけません。裁判所で検認という手続を経る必要があります。

 

検認とは、裁判所で遺言書を開封してその状態、内容を確認する手続のことです。

遺言書のそのときの形状や加除訂正の有無や内容、日付や署名押印の状態などを確認して、偽造や変造を防ぐことを目的としています。

 

自宅などで遺言書を発見したら、封をしている遺言書の場合はもちろんのこと、封のない遺言書であっても検認は必要です。

検認手続は、遺言書の存在を、他の相続人や利害関係者に知らせるという意味合いも持ちます。

 

2. 検認が必要な遺言書は?

遺言書が残されている場合であっても、すべての場合で検認が必要になるわけではありません。

検認が必要な遺言書は、自筆証書遺言と秘密証書遺言です。

 

自筆証書遺言とは、被相続人が全文自筆で記載した遺言書のことです。

厳格な要式が定められており、要件を満たしていない場合には無効になります。

 

秘密証書遺言とは、内容を秘密にするために、その存在のみを公証役場で証明してもらう遺言書のことです。

 

この2種類の遺言書が発見された場合には、家庭裁判所に申立をして検認手続をする必要があります。

 

これらの遺言署に対して、公正証書遺言の場合には、検認手続は不要です。

この場合、公証人によってその内容や存在などが確実に証明されるので、あえて裁判所でその状態や形状などを確認して保存する必要がないからです。

 

3. 検認せずに遺言書を開封するとどうなる?

自筆証書遺言や秘密証書遺言が出てきたら、すぐに検認手続をする必要がありますが、もしも検認せずに遺言書を開封してしまったら、どうなるのでしょうか?

 

この場合には、開封した人に科料という制裁が科されて、5万円の支払が必要になります。

封をしていない遺言書の場合であっても、検認をせずにその遺言書にもとづいて遺産の分割(遺言執行)をしてしまったら、やはり同じように5万円の科料の制裁が科されます。

 

また、それ以外にも、勝手に遺言書を開封したら、他の相続人から、偽造や変造をしたのではないかと疑心暗鬼の目で見られて、遺言の効力について争いが発生する可能性があります。

そうなると、遺産分割がうまくいかなくなって大変な手間がかかります。

 

ただし、万一先に開封してしまった場合でも、検認はできますので、どちらにしても検認申立の必要はあります。

さらに、遺言書を見つけたのに故意にそれを隠していた場合、その相続人は相続欠格者となるので、相続権を失うことになってしまいます。

 

遺言の検認をしないと、このようにさまざまな問題があるので、遺言書を発見したら、速やかに検認申立をすることが重要です。

 

4. 検認をしても遺言書が有効という意味ではない

遺言書の検認手続を行う場合、検認をしたからその遺言書は有効なのだろうと考える人が多いです。

確かに、検認をすると裁判所による押印などもしてもらえるので、遺言書の内容の有効性が確認されたかのようにも思えます。

 

しかし、検認手続は、遺言書の内容の真実性や、遺言書が真に被相続人によって書かれたことなどを証明する手続ではありません。

あくまで、検認を受けた日におけるその遺言書の状態や形状などについて裁判所が確認したというだけの意味しかないのです。

 

よって、検認を受けた遺言書でも、実は遺言者の真意にもとづくものではなかったということになったり、無効な遺言書であったりするケースもあります。

 

5. 検認の手続方法

自筆証書遺言や秘密証書遺言を発見した場合の検認の手続き方法を解説します。

 

検認申立ができるのは、遺言書の保管者や遺言書の発見者です。

検認の申立先の裁判所は、被相続人(遺言者)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

 

(1)検認申立の方法と費用

検認の申立を行う場合、まずは、検認申立書を記載します。検認申立書の用紙は、家 庭裁判所においてあります。

 

申立の際、添付書類として、申立人と相続人全員の分の戸籍謄本が必要です。

さらに、遺言者の、生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍謄本、除籍謄本も集める必要があります。

 

遺言書が開封されている場合には、遺言書の写しも添付します。

検認にかかる費用は、遺言書1通について800円です。これについては収入印紙で支払います。

さらに、数百円分の郵便切手も必要になります。

 

(2)検認手続の進み方

検認の申立をすると、家庭裁判所から検認の期日の通知があります。

このとき、裁判所は相続人全員に対して期日の通知をします。

 

実際に検認に立ち会うかどうかについては、各相続人の自己判断になるので、期日にどの相続人が来るのか来ないのかは行ってみるまでわかりません。

定まった期日に家庭裁判所に行くと、出頭した相続人の立ち会いのもとに、遺言書の検認が行われ、その結果は、「検認調書」という書類に記載されます。

 

そして、申立人の申請によって、裁判所が遺言書の原本に検認済証明書をつけて、遺言書を返還します。

検認済証明書とは、遺言書の検認事件の番号や検認が行われた年月日、検認済であることやその証明の証明年月日、検認をした家庭裁判所名などが記載された証明書のことです。

これに裁判所書記官が記名押印して遺言書原本の末尾に添付して、遺言書との間に契印して渡されます。

 

不動産の相続登記をしたり、預貯金の名義変更をしたりする場合には、相続人や受遺者は裁判所から交付を受けた検認済みの遺言書を使って手続をします。

検認手続ができていないと、自筆証書遺言があっても不動産登記名義の書き換えなどができないことになります。

 

検認に立ち会わなかった相続人や申立人に対しては、後日、家庭裁判所から検認が行われたことが通知されます。

 

まとめ

今回は、遺言書を発見した場合の検認手続について解説しました。自筆証書遺言や秘密証書遺言を発見した場合には、勝手に開封せずに検認手続を経る必要があります。

 

検認をしても遺言書の内容が有効になるわけではありませんが、きちんと手続きしないと科料の制裁などもあるので、遺言書を発見したら必ず検認手続をしましょう。

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